2022ベルギードイツツアー記 その5 ~デュッセルドルフ・WP8でのライブ編~

ヨーロッパツアー レポート
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皆様こんにちは、
ツアー記その4 デュッセルドルフ・WP8でのライブ編 をお送りします。


最初から読む →
 2022 ツアー記 その1 ~日本出発からベルリン着まで~  >>

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デュッセルドルフでのライブは、WP8という場所だった。

ノーマンに教えてもらった箱で、彼に教えてもらわなかったら絶対にここでライブすることがなかったと思う。

というのもほぼ情報がない場所で、WEBサイトはあるけれどまったく動いてる感じはない。

何回かメールを送って、運よくある日オーナーのロマーノから返事が来た。


それで、彼が出演OKの返事をくれるのと同時にノーマンにも連絡がいったらしく、OKの返事の直後にノーマンからロマーノと直接電話した方がいいというアドバイスをもらった。

僕としては、(電話が苦手なため)連絡関係はメールで済ませたかったが、仕方なく緊張しながらロマーノに国際電話をかけた。たしか夜12時くらい。

ロマーノは、

「おい、まじかよ。日本から電話かかってきたぜ!」

って感じで電話口で爆笑しているのが聞こえ、彼はハイテンションのまま ライブの条件とかを怒涛の勢いで伝えてきた。

ほぼ内容がわからなかったが、なんとなく大丈夫っぽい感じがしたので、それでは会場で会おうぜ、っていう明るいノリで電話を切った。


その後WP8とのやりとりは、ブッキング担当的なフィリップに変わった。 

彼からライブの詳細などが送られてきて、当日はジャパンナイトというスペシャルイベントにするぜ、っというかなりナイスな報告をいただき、気分が上がりまくった。

(ジャパンナイトの内容は、お客さんに日本酒をふるまうという、なんと振る舞い酒スタイルであった)

ベルリンのPOPに続き、かなり楽しみな場所でもあった。


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周辺都市でのライブのブッキングをするためデュッセルドルフでの滞在スケジュールを少しゆるめにしてあったのだが、結局ライブが決まらなかったので、その日程をWELTKUNSTZIMMERでリハをしたり、レジデンス滞在中のドイツ人アーティスト・ライナーと写真の撮影をしたりと過ごしていた。

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アーティストインレジデンスというものに初めて滞在したが、雰囲気が良いし、そこに流れる時間も、通常とは少し変わっているので、落ち着いて制作に集中できる気がする。

何より、そこにいる人たちが全員芸術活動に好意的であるのが心地よい。

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WELTLUNSTZIMMER滞在期間中にこんな感じのイベントもあったりした。


そんな感じで過ごしていると、ライブの前日にフィリップから連絡があり、”今日の夜、シークレットでパーティーやるから来ないか” というオファーをもらった。

正直、ライブ前日だったのであんまり夜出かけたくなかったんだけれど、場所の確認、ライブ前のミーティング、面通しもかねてWP8を訪問することにした。

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Wp8はデュッセルドルフの駅から徒歩5分程度の 線路のガード下のような場所にあって、かなり雰囲気のある場所だった。

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夜のデュッセルドルフは昼間の印象とはだいぶ違って、なんとなくヤバさを感じる町で、夜になって出てくる人たちや、アフター5的なものを楽しむ人たちも多かった。

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最初GOOGLEMAPで場所を確認して、該当の建物を探してうろうろしていたが、WP8がわからない。
ようやく、小さいサインを見つけて扉を開けるとそこがWP8だった。

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中には数人の男女が適当に酒を飲んでていて、そのうちの誰かに適当に声をかけると、奥から背の高い陽気なメガネをかけたおじさんがビールをもって登場した。
それがロマーノだった。

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彼はかなり陽気なおじさんで、背が高くて博士と軍人を足して2で割ったような人だった。

ビールをガンガン開けていき、おい飲め飲めといった感じで瓶ビールを回してくる。

そこにいた数人の男女は、その日のライブがなんらかの事情で突如キャンセルになったので急遽ここで飲み会をすることになったようだ。

後からフィリップも来て(本来来る予定ではなかった)、自己紹介をして和やかに軽く飲んだ。


ロマーノの話をしているときに、「俺は、1999年のケンの再結成時のPAだったんだ」と自慢げに言われ、

何?ケン?」って聞き返すと

だから、ホルガーシューカイとかさ、、、」と言い出して、

おい、マジかまさかCANなのか、と聞き返したら「そうだ」と胸を張ったので、驚きを過ぎて爆笑した。

まさかそんな人がやっているライブスペースで演奏することなるとは思いもしなかった。

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フィリップとロマーノ


その後Wp8からフィリップと一緒に帰ったのだが、彼がWELTKUNSTZIMMERまで歩いて帰れると言ったので、半信半疑で歩いてたらなんとなくホテルについた。
まさかの徒歩圏内のライブスペースだった。



翌日、スーツケース一杯の荷物をもってWP8へ向かった。

多少早く着いたのだが、ロマーノがトラブルで少し遅れて登場した。

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ベンツかなんかの古臭いバンで登場した彼は
ごめんごめん、友人の飛行機がおくれちゃってさ、空港にピックアップしにいったんだけれど、俺は悪くないんだけどさ。
なんて言いながら会場を開けてくれた。お茶目なおじさん。

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セッティングはいつものように地獄の勢いで行ったが、結構早い段階からお客さんが集まり始めた。

ロマーノはPAもやるし、奥のバーカウンターで酒も出すし、なんならチケットもぎりもたまにしていた。一人何役もこなしていた。

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WP8のバーカウンター


WP8はせまい箱なんだが、ロマーノがこだわって音響を調整しているので、サブウーハーがあって低音も十分に出てすごくライブがやりやすかった。

照明に関しては、スモークマシンがあったので、レーザーが効果的に使え、LEDの色もよく映えたので満足度が高かった。

狭い箱だけれどお客さんの熱量がすごかったし、お客さんもwp8のことを愛している感じが伝わってきた。


このライブでの残念だったことは、アンコールの曲で電源が突如落ちて最後まで演奏できなかったことだった。

電流の過負荷のためにトランスの安全装置が働いてどうすることもできなかった。

その時ロマーノはやさしく慰めてくれた。この辺のトラブルはなんとかしたいものだが、ある程度は仕方がないことだ。


ライブ終了後、バータイムでたくさんのお客さんと話しをした。

皆さんがとても楽しんでいただけたようですごくうれしかったし、場所の雰囲気がとてもよかった。

音楽を愛している感じがとても伝わってきた。

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ノーマン(左)とお客さんの一人。

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デュッセルドルフ在住アーティストのタカさん


翌日のベルギーでのライブのため、早朝の列車に乗らなくてはいけないので、再度来ることを約束し、名残惜しくも会場を後にした。

ロマーノフィリップノーマンWELTKUNSTZIMMERご来場いただいたお客さん、本当にどうもありがとうございました。

次回はベルギーでのライブ、ムスクロン編です。






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ICHION is the Japanese experimental and NEO spritual music duo unit. 

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