2022ベルギードイツツアー記 その3 ~ベルリンPOPでのライブ編~
皆様こんにちは、
「ツアー記 その3 ~ベルリンPOPでのライブ編~」をお送りします。
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今回のベルリンでライブをした場所は、POPというレコードショップだ。

POP
コロナの外出自粛期間中で思うように音楽活動ができなくて暗中模索している時に、インターネットでたまたまPOPのオーナーの一人であるKurtさんのことを知った。
Kurt さんはDAFの元メンバーで現在PYROLATORという名義で活動している。
そのPYROLATORのライブをストリーミングで見てすごくかっこよかったんで、それを調べているうちにPOPというレコ屋の存在を知り、かつそこでストリーミングライブをやっているのを知った。
毎週金曜日の夜にPOPで行われているライブは、コロナ禍ということもあり、ストリーミングで放送されていた。
そして、そのライブにShneider TMという僕が無茶苦茶好きな音楽家が出ていて、超ビックリした。
しかもそのライブが良くて、そして、何より その場の雰囲気がとても楽しそうだったのが印象的だった。
まだ日本がライブが全然できない頃で、外食飲食なんかもってのほかの時期だ。
その後POPでのライブが行われる毎週金曜日の夜、日本時間的には土曜日の早朝3時が とても楽しみな時間となった。
その番組を見ているうちに、いつか自分達もPOP fridaysに出演したいなと思い始め、ある日Kurtさんにダメ元でコンタクトした。
すると、”コロナが収まったら連絡くれよ!” みたいな軽い感じで返事をもらうことができて信じられなかった。
それで、今回ブッキングをしている時に連絡をすると、”OK, じゃあこの日どう?” みたいな軽いノリだったんで、本当にライブが決まったのかなという半信半疑の気持ちで ライブ当日を迎えたのだった。

早めに着いたので、近くのカフェで時間をつぶした後、POPに到着する。(19時までは通常営業中だった)


POPの店内

もう一人のPOPのオーナーであるMartinさんにご挨拶。
彼はとても心配りするいい人で、すごくこちらを気遣ってくれた。
”何か飲み物いるか?”とか何度も聞いてくれたが、僕はセッティングで鬼のように忙しかったので キラが代わりにお茶をもらっていた…。

ライブ前まで2時間はあるはずが、音出しまでは結構早いがそこからLEDのセッティングしたりしていると あっという間にライブ開始時間になる。
そんな感じで慌ただしくセッティングをしていると、ついにKurtさんが現れた。
とても穏やかな人でまさかのDAFとは思えないよ。

巨匠Kurtさん
会えた感動もすごいのだが、セッティングのために時間に追われるプレッシャーも半端なく、挨拶もそうそうに必死にセッティングする。
また、ライブ開始前にレーベルオーナーのオラリーもベルギーからわざわざ来てくれた。ご苦労様です!

POPはレコードストアなので、普段レコード棚が置いてあるところを動かしてライブスペースを無理やり作る。
だからそんなに広くないが、お客さんの熱気がすごかった。
ツアー1回目のライブとしては、良い出だしだったとおもう。
ライブの内容よりも、あの自粛生活中に、インターネット越しで見ていた場所で演奏できたことは本当に信じられなかったし、まず、この日が来ることは想像できなかった…。
前回のベルギーのライブでも感じたことだが、海外だからといってやることが変わるわけではない。
しかし、私達のようなジャンルのライブでもお客さんを楽しませようという気持ちが強くなる。
というのも、お客さんがすごくこちらのやろうとすることを理解しようとしているし、また、その上で音楽を楽しもうとしてるからだ。
もちろん、”日本からわざわざ来るくらいだからどんなもんよ”みたいな感じで最初は見られている気もするけれど、ライブの半ばくらいから段々雰囲気が変わってくる。
また、演奏していると僕らに求められていることが伝わってきて、”自分達が演奏して楽しい”ということよりも、”自分の最上のものを提供したい”という気持ちになる。
ぶっちゃけ自分達が演奏して楽しいということはあまり感じられない。
この意識の変化が前回のベルギーツアーから明確に起きたことであった。





(写真はHelge Haselbachさんから頂きました)
ライブ終演後は、色々な方々とお話した。
私はドイツ語がほぼわからないので、英語での会話となるが、結構英語で話をしてくれる方が多かった。

お客さんの一人に、次の日に自分の家でホームパーティーをやるからそこで演奏してくれないか?と誘われたり、音楽家の方と音楽性についての話をしたりと、とても中身が濃いアフターパーティーだった。

LED照明を助けてくれたり、ビールをおごってくれたピーターさん
POPでは飲み物は提供していないので、お客さんが駅近くのキオスクで自分の好きな物を買って、それらを持ちこんで楽しく飲んでいた。
ドイツではビールがとても安く、瓶ビール1本1ユーロくらいで買えるのでこの日は結構飲んだ。
そしてその後、そのことを激しく後悔した。
なぜなら宿の5階までスーツケースを持って上がらなくてはいけないからだ。

ライブ後は、KurtさんとMartinさんは交代でDJして、お客さんが好きなようにに酒をのみ、踊り、会話するという、とても健全な遊びをする空間となっていた。
ちょっとだけ来て友達と話をして帰る人もいたり、店を出たり入ったり自由にしている感じがとても自然で良かった。
Kurtさんが翌日ライブなので12時頃に帰ったので、私達も、翌朝は、次の目的地のデュッセルドルフに行くために、高速鉄道に乗らなくては行けなかったので、それから間もなくお店を後にした。
改めて、KurtさんとMartinに感謝するとともに、見に来てくれたお客さんに本当に感謝しております。
またPOPでライブする日を楽しみにしております。

次回は、出ベルリンそしてデュッセルドルフ編。
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ICHION is the Japanese experimental and NEO spritual music duo unit.
実験的ネオ・スピリチュアルユニット【イチオン】