北極圏を訪ねる旅
10月に新たな楽曲製作のため北極圏を旅しました。
そして、EUの中では唯一といわれる
サーミ族の自治区であるフィンランド・イナリに滞在して
楽曲製作を行いました。
サンタクロースの村で有名らしい、ロバニエミよりも
300km北にある小さな町ですが
siida,sajosというサーミ族の文化を知るうえで
とても有意義な博物館や施設があります。
私達は、今回もアメリカ、ズニ族の居留地を訪れた時と同じく
キャンプ地にて自炊型の滞在施設にて約1週間ほど
北極圏の森の中で過ごしました。
サーミ族は、昔はラップランド(現在は蔑称ということで、サーミランドと呼ばれます)とよばれた土地に
生活している先住民族です。
独自の自治区をフィンランド国内にて持ちます。
アイヌ民族とも交流を持っているそうです。
また彼らの伝統的な歌唱方法であるヨイクは
シャーマニックな歌唱方法でしたが
キリスト教の布教に伴う、シャーマンの弾圧により
シャーマニックドラムの破壊や、かつてのヨイクは失われたそうです。
また同化政策により、サーミ語の禁止や、民族衣装の着衣の禁止なども
過去にはあったそうですが、現在は徐々に復活してきているそうです。
今回は、サーミ族のかつて聖地であったTaatsi Seidaを訪問することができました。
出発前には、ほぼなにも情報がなかったので今回もsajosの中の図書館などで
サーミ族についての資料を探して発見することができました。
その場所は、音響考古学とよばれる学問(ヘルシンキ大学のこの学問に関するURL
重要視される場所でもあるらしく(これは帰国後に知りました)
すばらしいエコ―(ディレイ)がかかります。
2日に渡り録音を行い、両日とも曇りでしたが
無風で、ほぼ-1cの乾燥した寒さの中での響きはとても澄んだ
今までの録音とはまた違ったものとなりました。
また違う日程で、さらに北極海を見てみたくなり(正確には北極海ではないですが)
ノルウエーのラクスエルフという街までいきました。
ここはフィヨルドの奥まった湾でしたがとても美しい場所でした。
ここでも歌を録音しました。
また詳しい滞在記は別の機会に書きます。
次回作もとてもユニークなものができそうです。
どうぞお楽しみに。