北極圏への旅 その4 イナリ初日
シーダ博物館
イナリは、今回の旅の目的に一つでもある
先住民族サーミについて学ぶために最適の町であるとの情報を
もとに訪れた。
正確には、この街にあるシーダ博物館が
サーミについて、学ぶことのできる唯一といっても良い場所であると
考えていた。(到着前は)
というのも、夏季を外したシーズンオフの時期であったので
ほぼサーミに関する博物館は締まっている状態であった。
このサーミ族に関して、日本を発つ前に興味があったのは
その歌唱方法であるヨイクに関してだ。
ヨイクは、その昔、シャーマンが自然と対話する中で
即興的に歌われる歌であったらしい。
キリスト教布教による、文化的、宗教的弾圧の中で、
昔からのヨイクはなくなってしまったらしいが
現在でもヨイクは、新しい世代に歌われている。
僕が注目したのは、その歌唱スタイルで
”自然と対話し即興的に歌う”
というところだ。
これはキラが、日常的に行っていることなので
とても親近感を覚えた。
それで、今回の旅でしたいことはサーミの歌を覚えるというよりも
サーミ族が、
どういう背景をもつ民族なのか、
どのような気候で暮らしているか
どのような生活をしているのか、
などが興味の対象となった。
また、今回の旅の主な目的は個人的には
北極圏を訪ねるということだった。
それを行うことにより、
「私達の中で、私達を縛っているモノからの開放」
を目指した。
そのため、明確な目標/
「あれをやりたい、これをやりたい、見たい」
など、現地で行う目的がほぼない状態で
ここまで来ちゃった、感じであった。
現地に来れば、何かしらやることが見えてくるのではないかと
考えてた。
それで、シーダ博物館でサーミ族について知識を得る。
日本では、子供向けの本でしか情報がなかった。
この博物館は、この北方の自然環境についての展示や、
オーロラの映像資料もあった。
まったくオーロラについては、ここに来るまで頭になかったが、
結構多くの人達がオーロラを見に来ていることを知った。
また、このイナリもそうだが、
かなり昔(第2次大戦前から)観光業が発達していて
ヨーロッパの金持ちが、北極圏へ旅をするということで
ヘルシンキから北上する幹線道路が発達したそうだ。
その観光業によって、町は次第に栄えた。
現在では、観光客が多く来過ぎて、
環境的な問題も多くなっているそうです。
拝観後、大体の知識を得て、
また、この博物館がビジターセンターにもなっているので
今後もここに何度か来ることになることを知った。
ついでに館員の方に、ヨイクについて学べるところはあるか?
と聞いたが、
「そのような場所はない、もしくはCDを聞いてね」
ということだったので、
その方向で頑張ることはやはり違うと感じた。
それで、とりあえず本日の宿泊施設に明るいうちに行って
自炊施設を確認しようということになり、ユースホステルに向かう。
一つのリビングルームに寝室が3つあるドミトリーであった。
僕たちが泊まるところには、先に1グループ泊まっていた。
こんな感じの2段ベッドで合宿みたい。
キッチンには、食器から調味料まであったので
なんでも調理できることがわかったので
スーパーへ買い出しにいく。
その道途中、シーダ博物館の近くに、SAJOSという建物を発見した。
またその建物からサーミの衣装を着た人々が何人もでてくる。
この施設はなんだろうって思いながら
とりあえず入ってみると、図書館や、大きなホールなどがある。
受付付近のポスターに貼ってあったガイドツアーについて
受付の人に聞くと、
「今日明日は、言語学会あって、無理だけど明後日は大丈夫」
との返事をもらって、おまけに
「あなたたちは、ラッキーよ。この2日間はサーミの人々が集まるから
衣装をみることができるわ」
と言った。
それで、翌日もここに来て良い、とのことだったので
とりあえず翌日の目的ができたので良かったなあ、
なんて思いながらスーパーで買い物して帰った。
フィンランド初自炊は、スープとパン。
今日も、ビールとポテチ。
水は水道水が飲めるし、美味しかった。
先住民族サーミ族の議会場があったり、