チャコ文化国立歴史公園(Chaco Culture National Historical Park)
もう一つ、ズニ族に縁の深い 素晴らしい遺跡をご紹介いたします。
ニューメキシコ州の北東部にある チャコ文化国立歴史公園(Chaco Culture National Historical Park)です。

ここは、900年頃から1150年頃にかけて造られたアナサジ族最大の遺跡群で、アメリカ南西部地方で最もプエブロ文化の遺跡が濃密に集中している地域でもあります。
チャコ文化国立歴史公園は、ニューメキシコ州に 3 ヵ所あるユネスコ世界遺産のひとつという栄誉を得ています。
(残り 2 ヵ所は、 カールズバッド洞窟群国立公園(Carlsbad Caverns National Park) とタオスプエブロ(Taos Pueblo))
世界遺産にしてはあまり日本では知名度がなく、ガイドブックにも大きく取り上げられない理由は 多分、アクセスの悪さによるものと思われます。
基本的に車でないと行けません。
しかも道が悪く、雨が降るとぬかるむので4WD車でないと無理と聞きましたが、天気に恵まれたため、私達は無理やり普通車で行きました。
北から入るルートと南から入るルートがあり、北のルートはわかりやすく 道路も舗装済みだそうなのですが、私達は南のズニ方面からだったので、未舗装で なおかつ とてもわかりにくいと評判の悪い、南のルートから行きました。
案の定道はとてもわかりにくかったです。
今思い出してもよく辿りつけたなアという感じで、進んでいても本当に着くのかとても不安だったのを覚えています。

(↑ダート(未舗装)の道路。土煙が舞います)

(↑こんな道が延々何時間も続くので、不安になります)

(↑やっと遠くにそれらしきものが!!)
チャコの遺跡群はとても巨大で、緻密な計画に基づいて整備された3-4階建ての500人規模を収容できる巨大な集合住居がいくつもと、そして、多くの キバ (Kiva)があります。
キバとは、アナサジ・インディアンが宗教的な儀式を行うための 半地下の大きめな空間のことを指します。
900年から1000年ごろの古代アナサジの4つの道路は、すべてチャコ・キャニオンに通じるようになっていました。
研究者は、ここには10,000人くらい暮らせる施設があったが、常時居住していたのは2,000人くらいだろうと推測しています。
つまり、この大規模な居住スペースのほとんどは、特別な行事や儀式が行われるときのみに用いられた宿泊施設であり、特別な儀式のために各地からアサナジ族が、定期的にここに集結していたと考えられます。
それらのことから、ここがかつてアサナジ族最大の、一大祭祀センターであったことが伺われます。
現に、この地域に住む原住民には、ここは「周辺の部族が一同に会し宗教儀式を行う場であった」と伝わっているそうです。





↑チャコ・キャニオンの遺跡群より出土した供膳用の土器

↑プエブロ・デル・アロヨ出土の土器。1030年から 1200年ごろに位置づけられる。
とても広い場所に遺跡が点在しており、じっくり全部見て回ろうと思ったら最低でも二泊三日は必要かと。
キャンプ場が併設されており、私達はそこに宿泊しました。
ここのキャンプ場は星空がものすごく綺麗なこともあり、とても人気があります。
早くから予約しないと、すぐにいっぱいになってしまいます。
ですが、遺跡の中でキャンプできるなんて場所はそうはなく、美しい星空と古代の空気に包まれて眠る夜は最高でした。


また、この地域は日中と夜間で気温の変化がとても激しく、厳しい気候の土地でもあります。
私達が訪れたのは4月でしたが とても過ごしやすく、4月は1年のうちでもベストシーズンと言えそうです。

このチャコキャニオンで最も印象的なこの岩山は、Fajada Butteと言う名称で呼ばれています。
この山頂には渦巻き文様が残されており、そこから古代アサナジ族が高度な天体観測技術を持っていたことがわかっています。
Sun Daggerと呼ばれる太陽の光が、夏至、冬至、春分秋分でそれぞれ異なる場所に、渦巻き文様を、あたかも光の剣で切り裂くように当たるそうです。
とても神秘的なお話です。
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参考サイト:http://www.ancient-wisdom.com/mexicochaco.htm ※英語です
↓以下は翻訳ソフトでざっと和訳したものです
「チャコ・キャニオンという名前の古代アナサジ地方の遠隔地にある砂漠の床から約400フィート上がっているのは、ファハダ・ビュートと呼ばれる堂々とした自然の構造です。 1年前にアナサジ天文学者に変化する季節を明らかにしたSun Daggerという名の付いた神聖なネイティブアメリカンのサイトは、バットの頂上近くの狭い棚に沿っています。
何故なのかはわかりませんが700年前に彼らが峡谷を放棄した後、太陽の剣士の秘密は、特別な少数を除いて隠されたままでした。 1977年には、突然、ロック・アートや紋章が研究され、カタログ化されていたと思われる時に、誤って「再発見」されました。
1977年、アーティストのアンナ・ソファールは、この地域のロック・アートを探検し、2つの螺旋の光のパターンを見つけました。岩の配列と渦巻きの彫刻が故意であった可能性があると疑って、彼女は一年を通して様々な日にサイトに戻り、同僚と一緒に次の事実を確定することができました:
夏至では、彼女が「サンダガー」と呼んでいた日差しが、より大きなスパイラルの頂上近くに現れ、18分に亘って、その中心を通り抜けて「スライス」され、スパイラルを半分それを再び影に残す前に。冬至では、光の2つの短剣が49分間現れ、その間に大きな螺旋を正確に構成しました。
最後に、同様に魅力的で複雑なライトショーが春と秋の春分に発生しました。大きなスパイラルは、中心から外側に数えて9つの溝があるように刻まれています。各分点で、中心からではなく正確に中心から4番目と5番目の溝の間で大きなスパイラルを切断するような光のダガーが現れました。換言すれば、春分が斑点間の時間をちょうど半分にカットするのと同様に、スパイラルの中心と外側の縁のちょうど中間を切断する。一方、第2の短剣は小さな螺旋の中心を通ってスライスされた。
おそらく何世紀も続いてきたこれらの「ライトショー」は、再発見後数年間続いた。しかし、1989年に花崗岩スラブが移動したことが判明した。明らかにAnasaziによって慎重に配置されていたアライメントはもはやありませんでした。」
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Fajada Butteは旅行者から守るため、残念ながら現在は閉鎖されており見学はできないそうです。
チャコ・キャニオンの遺跡群は、ホピ族やズニ族などのプエブロ族にとって神聖な先祖の地であって、歴史上の出来事としてのチャコ・キャニオンからの移住や この地に対する精神的なつながりは、口承伝承によって現在まで語り継がれています。
古代の息吹を感じることができる、とても素晴らしい遺跡でした。


ニューメキシコ州の北東部にある チャコ文化国立歴史公園(Chaco Culture National Historical Park)です。
ここは、900年頃から1150年頃にかけて造られたアナサジ族最大の遺跡群で、アメリカ南西部地方で最もプエブロ文化の遺跡が濃密に集中している地域でもあります。
チャコ文化国立歴史公園は、ニューメキシコ州に 3 ヵ所あるユネスコ世界遺産のひとつという栄誉を得ています。
(残り 2 ヵ所は、 カールズバッド洞窟群国立公園(Carlsbad Caverns National Park) とタオスプエブロ(Taos Pueblo))
世界遺産にしてはあまり日本では知名度がなく、ガイドブックにも大きく取り上げられない理由は 多分、アクセスの悪さによるものと思われます。
基本的に車でないと行けません。
しかも道が悪く、雨が降るとぬかるむので4WD車でないと無理と聞きましたが、天気に恵まれたため、私達は無理やり普通車で行きました。
北から入るルートと南から入るルートがあり、北のルートはわかりやすく 道路も舗装済みだそうなのですが、私達は南のズニ方面からだったので、未舗装で なおかつ とてもわかりにくいと評判の悪い、南のルートから行きました。
案の定道はとてもわかりにくかったです。
今思い出してもよく辿りつけたなアという感じで、進んでいても本当に着くのかとても不安だったのを覚えています。
(↑ダート(未舗装)の道路。土煙が舞います)
(↑こんな道が延々何時間も続くので、不安になります)
(↑やっと遠くにそれらしきものが!!)
チャコの遺跡群はとても巨大で、緻密な計画に基づいて整備された3-4階建ての500人規模を収容できる巨大な集合住居がいくつもと、そして、多くの キバ (Kiva)があります。
キバとは、アナサジ・インディアンが宗教的な儀式を行うための 半地下の大きめな空間のことを指します。
900年から1000年ごろの古代アナサジの4つの道路は、すべてチャコ・キャニオンに通じるようになっていました。
研究者は、ここには10,000人くらい暮らせる施設があったが、常時居住していたのは2,000人くらいだろうと推測しています。
つまり、この大規模な居住スペースのほとんどは、特別な行事や儀式が行われるときのみに用いられた宿泊施設であり、特別な儀式のために各地からアサナジ族が、定期的にここに集結していたと考えられます。
それらのことから、ここがかつてアサナジ族最大の、一大祭祀センターであったことが伺われます。
現に、この地域に住む原住民には、ここは「周辺の部族が一同に会し宗教儀式を行う場であった」と伝わっているそうです。

↑チャコ・キャニオンの遺跡群より出土した供膳用の土器

↑プエブロ・デル・アロヨ出土の土器。1030年から 1200年ごろに位置づけられる。
とても広い場所に遺跡が点在しており、じっくり全部見て回ろうと思ったら最低でも二泊三日は必要かと。
キャンプ場が併設されており、私達はそこに宿泊しました。
ここのキャンプ場は星空がものすごく綺麗なこともあり、とても人気があります。
早くから予約しないと、すぐにいっぱいになってしまいます。
ですが、遺跡の中でキャンプできるなんて場所はそうはなく、美しい星空と古代の空気に包まれて眠る夜は最高でした。
また、この地域は日中と夜間で気温の変化がとても激しく、厳しい気候の土地でもあります。
私達が訪れたのは4月でしたが とても過ごしやすく、4月は1年のうちでもベストシーズンと言えそうです。
このチャコキャニオンで最も印象的なこの岩山は、Fajada Butteと言う名称で呼ばれています。
この山頂には渦巻き文様が残されており、そこから古代アサナジ族が高度な天体観測技術を持っていたことがわかっています。
Sun Daggerと呼ばれる太陽の光が、夏至、冬至、春分秋分でそれぞれ異なる場所に、渦巻き文様を、あたかも光の剣で切り裂くように当たるそうです。
とても神秘的なお話です。
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参考サイト:http://www.ancient-wisdom.com/mexicochaco.htm ※英語です
↓以下は翻訳ソフトでざっと和訳したものです
「チャコ・キャニオンという名前の古代アナサジ地方の遠隔地にある砂漠の床から約400フィート上がっているのは、ファハダ・ビュートと呼ばれる堂々とした自然の構造です。 1年前にアナサジ天文学者に変化する季節を明らかにしたSun Daggerという名の付いた神聖なネイティブアメリカンのサイトは、バットの頂上近くの狭い棚に沿っています。
何故なのかはわかりませんが700年前に彼らが峡谷を放棄した後、太陽の剣士の秘密は、特別な少数を除いて隠されたままでした。 1977年には、突然、ロック・アートや紋章が研究され、カタログ化されていたと思われる時に、誤って「再発見」されました。
1977年、アーティストのアンナ・ソファールは、この地域のロック・アートを探検し、2つの螺旋の光のパターンを見つけました。岩の配列と渦巻きの彫刻が故意であった可能性があると疑って、彼女は一年を通して様々な日にサイトに戻り、同僚と一緒に次の事実を確定することができました:
夏至では、彼女が「サンダガー」と呼んでいた日差しが、より大きなスパイラルの頂上近くに現れ、18分に亘って、その中心を通り抜けて「スライス」され、スパイラルを半分それを再び影に残す前に。冬至では、光の2つの短剣が49分間現れ、その間に大きな螺旋を正確に構成しました。
最後に、同様に魅力的で複雑なライトショーが春と秋の春分に発生しました。大きなスパイラルは、中心から外側に数えて9つの溝があるように刻まれています。各分点で、中心からではなく正確に中心から4番目と5番目の溝の間で大きなスパイラルを切断するような光のダガーが現れました。換言すれば、春分が斑点間の時間をちょうど半分にカットするのと同様に、スパイラルの中心と外側の縁のちょうど中間を切断する。一方、第2の短剣は小さな螺旋の中心を通ってスライスされた。
おそらく何世紀も続いてきたこれらの「ライトショー」は、再発見後数年間続いた。しかし、1989年に花崗岩スラブが移動したことが判明した。明らかにAnasaziによって慎重に配置されていたアライメントはもはやありませんでした。」
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Fajada Butteは旅行者から守るため、残念ながら現在は閉鎖されており見学はできないそうです。
チャコ・キャニオンの遺跡群は、ホピ族やズニ族などのプエブロ族にとって神聖な先祖の地であって、歴史上の出来事としてのチャコ・キャニオンからの移住や この地に対する精神的なつながりは、口承伝承によって現在まで語り継がれています。
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